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EXAMINATION1 -考察-

EXAMINATION1 -考察-


 ところでCase 1の女性は自分のジュエリーに何故、飽きてしまったのでしょうか。話を聞きながら察したことは、これらのジュエリーが市場に出回っている一般的な物であったこと、それらがすでに本人の年代層や社会的ステータスに合わなくなっていること、再び着けたいという愛着が起こらないことなどでした。
 結婚後10年余りが過ぎ、ライフスタイルやライフステージが変化し、今まで愛用していたジュエリーが自分の存在感や生き方、ポリシーを表現する器として、物足りなくなってしまったのです。ジュエリーの特徴は、それを着けたり所有したりする人の存在を表現することであり、着けるユーザーの存在感や内面性を代弁するものであります。 この女性との会話から、彼女の希望するペアリングを制作するにあたって、実行しなければならない条件がいくつか見えてきます。
1 宝石店のショーケースや結婚式場に陳列されている出来合いの一般的マリッジリングを、デザインの点からも加工技術の面においても超えること。
2 プラチナとイエローゴールドの二色を使い、プラチナに男性を、ゴールドに女性を象徴させること。
3 手作りの味わいを十分に生かして、リング内側の直接指に接する地金部分に、緩やかなアール状の仕上げを施し装着感を良くすること。


            『森のささやき2』

 この女性が今まで使用してきたジュエリーに飽きたのは、自分の生活スタイルの変化のためです。しかし別の面から見れば持っていたジュエリーそのものが時代の変化とライフスタイルの変化に耐えうるような品物ではなかったといえるでしょう。つまりジュエリーそのものが時代の流行に押し流されてしまう程度の物であったのです。 また、ユーザーが自分のジュエリーの作り替えを決意するときには、その形状だけでなくそのジュエリーが持っているストーリーにも飽きてしまっているということがあります。したがって作り手は形状を壊すと共に、そのジュエリーに付着している記録や思い出を消してしまうことも必要なときがあるのです。
・・・つづく。



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