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EXAMINATION H -考察-

EXAMINATION H -考察-


 日本の宝飾文化の貧困さはジュエリーをつける場所の貧困さに由来しているのかもしれません。洋服とそれにあわせた装飾品は元来ヨーロッパ文化が生み出したものであり、まさにヨーロッパ文化そのものなのです。しかし日本ではヨーロッパのライフスタイルに影響されて久しいにもかかわらず、ジュエリーを使いこなす場というものがなかなか出来あがりません。
 子供の入学や卒業式、冠婚葬祭では多くの女性がジュエリーを経験することですが、それは生活上の慣例ではありません。観劇や、食事会、パーティーに自由で気軽に出かけるようになるには、お金があっても時間ときっかけが無くては実現しません。


『HITAKI』

 一般に商店主や自営業のおかみさんは、時間労働者のサラリーマンと違って、毎日がとても忙しい。それは仕事に終わりが無いからです。そんな人たちが、装い新たにお出かけするのは、断るに断れない付き合いか義理と情を欠かせない縁者の集まりでしょう。よって、Case Hの女性の姉が持っている自分のジュエリーへの関心度は、友人や知人が持っている程度か、それをいくらか上まわる程度のジュエリーを、一応自分も持っているという自己満足の所有にすぎません。
 同じようにジュエリーを持ったり、つけたりしているほとんどのオーナーが、周りの友人が持っている程度のものは、自分も持っているし、持ちたいと思っています。という心理の域内にあります。つまり、このようなジュエリーへの関心度はジュエリーをどのようにつけたいかという、使用の場所へのイメージが欠如してしまっています。身につけるステージがイメージされなければ、ジュエリーへのデザイン的な関心も二次的なものとなり、金額だけが先行してしまいます。
 ただ単に所有するという関心度の範囲内ではデザインへの要求が起こりにくいのです。ジュエリーの種類や品質、価格に最大の関心があっても、デザインや制作技術への関心が高まりません。

・・・つづく。





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