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DEVELOPMENT -発展-

DEVELOPMENT -発展-


 最近の価格破壊という市場傾向に乗じて、メーカー直営工場とうたったチェーン店が宝飾市場を席卷しています。ジュエリーが安い価格で手に入るのは消費者にとって歓迎されることですが、この販売形態が宝飾文化を育てるかという点からみると、むしろ限りなく文化破壊に向かってしまう商法です。価格競争が商品の品質競争と逆行するからです。
 日本の服飾文化が和服を主流としていた時代には、それに応じた宝飾文化が存在しました。和風小物や愛煙用具、家具や茶道具などに飾り職人は独自の領域を開いたといえます。


  『イオ』

 やがて欧米の服飾文化の急激な浸透がはじまるが、宝飾文化の大衆への浸透は、特に市民生活の金銭的余裕と比例せざるを得なかったため、ここ40年ほどの間に行われたにすぎません。この間に確かに日本の宝飾技術は大きく発展しましたが、その発展の仕方はいかに早く、簡単に売れ筋の商品を作るかというビジネス上の効率を優先させたのが実情です。
 したがって一部の作家物を除いて、街の小売店に並んでいるジュエリーに、積み重ねられた日本の伝統を反映しているものはほとんど見当たりません。機械作りで工賃を抑えて出来上がったジュエリーに施されている技術やデザインが、文化的に高度の成熟性を持った物だとは決して言えるものではないのです。いま、日本の宝飾はこうした貧しい土壌で作り出されています。

・・・つづく。





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