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NECKLACE -ネックレス-

NECKLACE -ネックレス-


 ジュエリーに施されている工芸力の点で、ネックレスに関して買い手が注意すべきことは、ラインの流れとチャームポイントでしょう。どれほど豪華に仕立てられたネックレスであっても、着ける人の身体のラインにフィットしなくては意味がありません。ネックレスも指輪と同じように着ける人の身体の延長であり、内面的キャラクターの表現です。
 ネックレスを短めにチョーカータイプに着けるにせよ、胸までロング仕立てで着けるにせよ、それは人の体型や服飾にマッチした長さ、ウェーブ、量感が考慮されなければなりません。 したがって、制作されてショウウィンドウに並んでいる製品は、買い手にとって未完成の半製品とみなしてよいでしょう。自分の首の周りや胸におりるラインにどのようにフィットするかの試着が必ず必要となるからです。
 ネックレスを着けたときそれが自分の身体に馴染むためには、ネックレスに使われている駒と駒、珠と珠のジョイントがスムーズに動くかどうかがキーポイントです。真珠のネックレスにせよ貴金属のネックレスにせよ、それらはすべて着ける人の首や襟のラインに沿わなくてはなりません。ネックレスを身体に着けた時のウェーブの柔らかさは駒と駒、珠と珠の繋ぎ方にかかっています。この接続部がスムーズで美しいこと、これがネックレスを選び出すときの必須条件です。
 さらにそのネックレスがジュエリーとしての工芸力に富んでいるかどうかは、作品の見せ場であるチャームポイントをどの様に表現しているかという点を探ればよいでしょう。チャームポイントとは、そこから作品の美しい魅力が発祥している起点という意味です。職人はこのチャームポイントと、そこから流れて留め具にいたるまでのウェーブラインや接続部の処理に技量を発揮せねばなりません。

  『SATORI3』

 例えば真珠のネックレスの場合、柔らかいラインを持たせて肌の流れに沿わせるのが肝心です。真珠のネックレスはほとんどが糸で留め具に取り付けられているが、この取り付けの状態がそのラインの柔らかさを左右します。よく見られる40cm前後に仕立てられた真珠ネックレスは、日本では一般的に留め金具の両側から3粒に結び目を施して取り付けられています。このとき、結び目が大きすぎてぎこちないのでその部分の珠の並びやラインをぎくしゃくさせてしまいます。
 さらにこの仕立てでは、やがて糸が緩み、場合によっては糸が切れてバラバラに散乱してしまう危険があります。これを避けるために欧米人が必ずおこなう仕立て方法で、オールナッツ方式と呼ばれる仕立て方があります。すべての珠と珠の間にノッチしていく(結び目をつくる)方法です。しかしこの場合、糸が切れて散乱することは防げても、ノッチそのものが大きい場合、時が経つと汗と埃で汚れ、ネックレスの美観を損ねることになります。仕立ても一長一短であるが、現存する強い糸を使い、できるだけ小さな結び目でオールナッツを施すことが最善といます。
 買い手は真珠ネックレスを選ぶ際に値段や品質、珠の大きさ、長さを吟味するが、仕立て方や留め具の位置などに注意を向けていないのが実情です。しかしこれを怠ると決して満足のゆくネックレスを手にすることはできません。
 また真珠ネックレスを特徴付ける留め金具にも注目する必要があります。一般に真珠ネックレスには大きさや照り具合などを除くと特徴らしき特徴がありません。したがって真珠ネックレスでは留め金具が唯一の特徴となります。にもかかわらず留め金具は、道具であり付属品のごとく見なしている人が未だに圧倒的多数です。買い手もメーカーも小売店も留め金具に関しては“おまけ”程度にしか考えないので、日本の宝飾事情は質的に向上しないのだと言っても過言ではありません。留め金具は真珠ネックレスにおいて最も重要なチャームポイントです。同様に貴金属のネックレスにおいても留め金具に工芸力の工夫を与えれば、すばらしいオリジナルジュエリーが誕生することでしょう。

・・・つづく





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