


ジュエリーのデザインで避けなければならない第一は、過度のエッヂ、鋭角や直線です。それらはジュエリーコンテスト向けの作品に任せておけばよいのです。身に着けるジュエリーは柔らかな線から出来上がるのが基本条件です。ジュエリーは臓器的な線と形態から創造され、産声をあげる新生児のようにしてこの世界に誕生してきます。
ひとつのジュエリーの誕生はひとつの感動であるはずです。ダリの絵画や彫刻での描写はまさに臓器的な美と言ってもよいでしょう。臓器的な美しさは、決して鋭く砕かれた破片や、直線や、鋭角をもちません。

人間の身体には流れがあります。そしてその流れには方向があります。その流れはどこから来るかというと、腰から始まるのです。大樹に例えれば根幹の基、根と幹が発生する基です。
へその下の指三本ほどの所に臍下丹田という場所があります。この場所が人の気力を発生するところです。気力の流れは人の身体の線、ボディーラインが流れていく方向です。この流れにジュエリー作品のデザインの流れが合致したとき、その作品は人に似合うジュエリーとなります。
デザイナーは指を見てその人のリングをデザインするのではなく、腰から発生するその人のエネルギーラインを読み取り、それに逆らわないデザインを描写することが重要です。
・・・つづく。
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