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CHEAP -安い-

CHEAP -安い-


3 通信販売の商品価格は一見して視聴者に安いと判断されるものでなければならないこと。

 なによりもまず視聴者が既に日常の生活圏で見聞きし、認知している該当商品の価格よりも安いと判断される必要があります。したがって通信販売の企画ではまず価格設定が先行して、それに品物の品質が合わせられます。
 はじめに価格ありき。つまりいくらの商品を通販として企画するか、これが通販ビジネスの出発であるのです。そしてこの設定された価格に見合う商品が採算ベースに合うように設定されることになります。
 通販のこの事情は、ややもすると持続する価値を本質としているジュエリーの存立基盤をないがしろにするものです。ジュエリーは素材が持っている品質的価値とデザインや作りの技術的価値がベースとなり、それに営業利益が加わり商品価格にいたるのです。しかし価格設定が先行する通販において、ジュエリーの品質は従属的にされ、企画商品の価格に見合うようにからげられてしまうのです。そこに流れているトーンは品質に見合った価格ではなく、価格に見合った品質でしかないということです。

   『コロンビアン』

 Case A~Cのダイヤモンドのリングも真珠のネックレスも、宝石専門店や百貨店の宝飾売場では見つけにくいような価格の安い商品であります。しかしその安さというものは、品質の良い商品が通常価格より安いというのではなく、安い商品がさらに安いという程度のものです。安い商品はもともと高価に販売できないから安く販売せざるを得ないのです。つまり価格破壊が品質破壊を伴いながら進行していくことになりかねないのです。
 通販のジュエリーがたとえ買い得品であっても、それが所有者に満足を与えることが出来るのは次のような条件を満たしている場合です。

①それがオリジナルであり、他には見当たらない場合。

②送られてきた物が魅力的で個人的に愛着が湧く場合。

③一般的な市場価格よりも通販で買い求めたほうが安い場合。

④商品の品質が思っていたよりも良い場合。

 ところが通販ではたとえ安い価格が視聴者の購買欲を引き付けたとしても、以上の条件をことごとく満たすことが出来ません。①の独創性など初めから通販に求める視聴者はいないにせよ、送られてきた商品の価格と品質に不満がなく、しかも購入者の嗜好に合致するものを手に入れるのは稀でしょう。
 通販の企画者が通販商品を制作するにあたって、素材の買い付け価格を抑えるために現地買い付けをしたり、製造コストを下げるために工賃の安い海外に製造工場を持ったとしても、企画される通販用商品の価格の下限は市場価格の範囲を出るものではありません。つまりメディアを通して如何に安さを連呼できたとしても、そのような価格のものは巷に溢れているものです。買い手が安く求めた事に満足できるのは、せいぜい巷の宝石売り場より安い感じがした、という程度でしょう。しかしこの僅かな満足も、通販という宿命とでも言うべき、没オリジナル性と品質の粗悪性によってまたたくまに帳消しにされてしまうのです。
・・・つづく。




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