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OWNERSHIP -所有-

OWNERSHIP -所有-


 商品としてのジュエリーは買い手や持ち主が定まっていない時には、一般的で普遍的な価値として存在していますが、ひとたび持ち主が定まると個人的で具体的な価値として存在するようになります。
 人のジュエリーへの愛着や憧憬はそれを自分の所有物にしたときから急激に強まります。日常品の中でジュエリーほど生活上の出来事やエピソードをストーリーにして持ち続ける物はないからです。購入時の思い出、贈り主への敬愛、そしてそれらを使用していたときに体験したエピソードなどが良い思い出となってジュエリーに刻まれ、その価値を一層特別なものにします。それは所有者にとって特別な価値であり、価格には表示できない私的な価値となります。そしてこれを所有価値といいます。


  『chequer』

 交換価値と使用価値をもつ商品が己の持ち主を獲得して店先から大海へ躍り出ると、持ち主と共にさまざまなエピソードを体験します。これらの体験がストーリー化されてジュエリーの価値はいちだんと増幅されていくのです。
 この価値は所有者に特有の価値であり他人と共有できるものではありません。従って所有価値というものは他者と交換可能なものではないし、他人が代理使用することもできません。ジュエリーというものはリースや借り物ではパワーが出ないのはこのような理由からです。
 ジュエリーが持ち主を得てこの所有価値を醸造しはじめると、それまでジュエリーの表面に現れていた交換価値と使用価値を内に秘めてしまい、そのジュエリーのきわめて私的な所有価値だけを浮上させることになります。人が自分のジュエリーに愛着を持ち大切に扱おうとするのは、そのジュエリーを包んでいるストーリー化された私的な所有価値のためです。

・・・つづく。





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