タイトル画像

CRAFT -技術-

CRAFT -技術-


 品質、デザインのほかに自分にとって本物のジュエリーを手にするための指針となるのが、制作上の工芸力です。宝飾工芸とは鉱物である宝石に人間の呼吸をいれることです。
 繰り返し明瞭にしておきますが、宝石とジュエリーとは、別の概念です。どれほど美しくカットされた宝石でも、それは手の上に乗せて眺める以外にない裸石(ルースストーン)です。人が身に着けようとするなら、その状態では使用できません。そこで職人が台や枠を造ることとなります。そして職人の技術が加えられて初めて宝石はジュエリーになります。この職人のことを錺(かざり)職人といいます。
 錺職人の制作上の姿勢はどこにあるかというと、それは実際に使用するお客様の呼吸にあう作品を創り出すことです。原石をカットしたり研磨する職人と違って、錺職人は人の身体や服地の上に装う為の加工をします。したがって錺職人にとっては、使用する人物像が具体的であればあるほど創り出す作品のイメージが具体的で個別のものとなります。すぐれたジュエリーを創り出すためには、デザイナーや錺職人が実際に使用するユーザーから遊離しないことが求められます。


  『ripple』

 作られたジュエリーがそれを着けて使用する人の身体に馴染み、その人の雰囲気にあうか否かは、制作者の技術にかかっています。人の身体には直線や角、平面がありません。この柔らかな身体に宝石という鉱物を違和感なく馴染ませ、装着させることは至難のわざであります。しかも着ける人自身の内的趣向の延長として創り上げるためには、着ける人のキャラクターを制作者ができるだけ理解していることが肝心となってきます。
 しかし制作者はオーダージュエリーを除いて、このように具体的な特定人のジュエリーを常に作るわけではありません。通常、不特定な一般的で抽象的な女性像を対象にしてジュエリーはつくられます。錺職人は、実際にジュエリーを着ける女性がどのようなキャラクターの人であれ、創り出すジュエリーを人の身体に馴染むように仕立てます。馴染むためには人の身体がそれを異物と感じないようにつくる必要があります。装着したときにしっくりと落ち着き、着ける人の雰囲気にぴったりあうジュエリーを見極める為に、いくつかの検証点をあげてみましょう。

・・・つづく





宝石屋さん.com やまやくらぶ

PageTop
 

トラックバックトラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)