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~デザイナーズジュエリーとオーダージュエリー~

宝石の裏側vol.7
~デザイナーズジュエリーとオーダージュエリー~


 エターナルジュエリーこそ本格的ジュエリーです。本格的とは究極をめざすものであり、究極のジュエリーとは生涯にわたって愛用されるジュエリーの事であります。豪華で高額なジュエリーが、究極のジュエリーなのではありません。

    『Birth』

 価格の高低がジュエリーの価値を決めるわけではなく、そのジュエリーにエターナル性があるか無いかがジュエリーの価値を決めます。そしてジュエリーのエターナル性(不変的存在)というものは極めて個人的で、主観的な評価価値に依存しているのです。

・・・つづく。





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BONDS -絆-

BONDS -絆-


 A婦人にとっての究極のジュエリーがB婦人にとっても究極なものである必要はありません。ジュエリーの価値の究極性は、誰にでも等価値で、普遍的で、客観的性格なものではないのです。A婦人のジュエリーの価値は、A婦人の主観的で個人的なそのジュエリーとの関係によって決まってきます。
 そのジュエリーとの出会いのストーリー、そしてその後いろいろな場所で共に出会った様々なエピソードなど、ジュエリーはプライベートな思い出を刻み続けていきます。つまりジュエリーはそのオーナー自身の内面的趣向と歩んできた人生の表現であり、今を生きる自分の生き方の象徴なのです。言い方をかえれば、ジュエリー自体がそのオーナーの歩んできた航路と現在の生き方を物語っているといってもよいでしょう。


 『Birth2』

 オーナーとジュエリーとの個人的な絆と思いが強いほど、そのジュエリーはエターナルジュエリーに到達します。それではジュエリーはどのようにしてエターナル性を獲得していくのでしょうか。巷に氾濫しているジュエリー群のなかで、生涯にわたって愛用され難い物はどのようなものでしょうか。

・・・つづく。





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LIFETIME -寿命-

LIFETIME -寿命-


 まず量販商品はエターナル性へ達することが難しいといえます。それらが個性を表現するものではなく、流行、定番、数量を表す言葉と同義語だからです。人間に同じ存在が無いように個性の表現としてのジュエリーに、同じ物の量的存在は禁物です。

 『ボルドー』

 長い年月にわたって販売されてきたブランドメーカーの定番ジュエリーも、そのままでは数量商品です。毎日洪水のように出回ってくる量販ジュエリーは短命の寿命しか持ち合わせない雑貨商品であるといえます。これらは押し出されるようにしてリサイクル市場(リフォームビジネス)へ転落していくのが現状です。

・・・つづく。





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STAMP -刻印-

STAMP -刻印-


 次に金融質流れ品、ディスカウント品、処分品、客寄せ品なども生涯ジュエリーにはなりえません。ジュエリーは最初の販売処遇がそれ自体の運命を決定してしまうものです。これらジュエリーの出生と、戸籍と、育ちが如何に立派であろうと、新しいオーナーとの最初の出会いが上記のようであれば、それがジュエリーの刻印されたイメージになるからです。

 『ボルドー2』

 この最初に刻印されたイメージを消し去る事は、同じオーナーが所有している限り不可能なのです。ジュエリーを持つ事や、着けて使用する事は、同時にそこに刻印されているイメージを所有し、使用することを意味します。したがって上記の質流れ品、ディスカウント品、処分品、客寄せ品などを自信を持って人前にお披露目できる人を除いて、このようなイメージを持たされたジュエリーをエターナルジュエリーにする事はできません。ジュエリーは最初の販売のされ方が極めて重要です。

・・・つづく。





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SHOPCHANNEL -通販-

SHOPCHANNEL -通販-


 それでは通信販売はどうでしょうか。通販商品をエターナルジュエリーとして受け入れる事のできる人は、現物を見ずに買い求めた商品に大満足できた人だけです。だがほとんどの通販ショッピングの買い手はジュエリーを現実に手にしたとたんに落胆し、やがて諦めることになります。

 『Earth』

 通販でジュエリーを決めるのは、見合い写真で結婚相手を決めてしまうようなものです。通販商品がエターナルジュエリーになることはほとんど有り得ない事だと断言できます。感触を実感できない状態でジュエリーを求める事自体、買い手がジュエリーを恒久的な持ち物にしようとする姿勢をすでに放棄していることになります。

・・・つづく。





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SKILL -技術-

SKILL -技術-


 以上のように市場に出回っている量産商品の中から自分の生涯にわたって持ち続けようとするジュエリーを見つけ出すことは難しいのです。例えば、限定で制作された物の中で、自分の好みのイメージにアレンジができる物があれば、それはエターナルジュエリーとして迎えられる可能性があります。
 大量生産のジュエリーの中にも優れて人を引き付ける物がありますが、機会作りの量産品は必ず同一品に出会うことなり、やがて束ねて一蹴される運命にあります。

 『flora』

 このように見てくるとエターナルジュエリーとして迎えられる可能性のあるジュエリーは最終的に手作り品でしょう。職人の手わざによる一品物です。制作者はオーダーする人の個性をオリジナルジュエリーというフォルムに表現します。宝石店によっては手作りのジュエリーが多かれ少なかれおかれています。それらの手作りジュエリーの中には宝石業界では名の知れた作家のものもあれば、無名作家のものもあります。重要な事は、名の通った作家の作品が自分のエターナルジュエリーになるわけではないということです。自分の内面的感性と身体的触感性により強くフィットするものだけがエターナルジュエリーの候補となります。
 自分の嗜好や理念にあわせて作り出したジュエリーだけが、年月を経て様々な体験を積み重ねながらエターナルジュエリーへの地位を獲得していくのです。

・・・つづく。





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GAP -ずれ-

GAP -ずれ-


 手作りジュエリーのなかでも特にデザイナーズジュエリーはデザイナー達の芸術的な感性によってデザインされ、職人の熟練されたテイストによって制作されるオリジナル商品です。そして人が生涯に亘り愛用しようとするジュエリーを、デザイナーの個性や職人の技量がにじみ出た作品の中から選ぶことができれば、エターナルジュエリーを手にする最も近道といえます。
 ところでデザイナーは通常、自分の発表するデザインの傾向を常に研ぎ澄まし斬新さを求めて突出していくものです。昨年よりも今年は新しいトレンドをフォルム化しようとデザインします。そのような場合にデザイナーの一人歩きがはじまり易いのです。ジュエリー雑誌やジュエリーショウにおいて斬新で意表をつく作品を発表しようとすれば、デザイナーは自分の個人的な感性と判断のみで商品づくりに向かうことになります。この場合、誰がどのような場所で使用するかというジュエリーのユーザー的な側面は無視されがちになります。デザイナーズジュエリーがユーザーの日常的使用感覚からずれてしまうのはこの為です。

 『freeze!』

 ジュエリーはユーザーを得てはじめて呼吸を開始します。しかしデザイナーの制作意図とユーザーの趣向に違いがあれば、時の経過とともにその違いが不快な呼吸に変化していきます。作られたジュエリーと、それを着けて使用するユーザーとの間には必ず内面的な共鳴が必要です。共鳴が無ければ、それを着けた時に感動が生まれません。ジュエリーを生涯愛用するものとして買い求めようとすれば、人は自分とジュエリーとの間に違和感やわだかまりのあるものを選ぶべきではありません。必ず自分の感性にマッチするものを選ぶべきです。
 地球上に何十億という人間がいても二人と同じ者はいません。似ている者も指の線の流れ方、耳の形、頬や顎のフェイスライン、目と鼻が作り出している表情などは全て違います。この身体の差異に性格の違いが加わるのであるから人の感性はそれぞれ途方もなく違っています。これほど異なる人の感性に適合するジュエリーというものが、どうして出来合いの既製品の中に見つかるのでしょうか。ほとんど皆、自分の感性を出来合いの並んでいるジュエリーにあわせ、妥協しているのです。したがって自分の感性を妥協させる事が嫌いな方は、オーダージュエリーに向かうしかありません。

・・・つづく。





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ESSENCE -本質-

ESSENCE -本質-


 さて人が愛用しているジュエリーには2種類あります。既成の出来合いのジュエリーと、自分で特別にオーダーしたジュエリーです。制作者の側から見れば、はじめから特定の使用者が決まっていて、その為のジュエリーをつくる場合と、制作段階では未だ誰が使用するのか決まっていないジュエリーをつくる場合とあります。これら二つには大きな違いがあるのです。ユーザーの側から見れば出来合いのジュエリーに自分の感性をあわせるか、逆に自分の感性にジュエリーをあわせるかという違いです。

 『FWP』

 ジュエリーに自分のストーリーを刻み込んでフォルムにすること。これがオーダージュエリーの本旨です。自分の生きざまや、信念、主張としてジュエリーを持つためには、オーダーしてつくり上げることが最良です。ここで出来上がるエターナルジュエリーに比べると、自分のこだわりを表現していないジュエリーなど十把一からげの駄物にすぎません。そしてそれらはジュエリーグッツと呼ばれる一過性の陳列商品であるといえます。

・・・Vol.8へつづく。





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